梅雨が明けたらしい。暑さは相変わらず。
レンタカーを借りて以前同僚だった A さんに教えていただいた、三島にあるクレマチスの丘に行く。行ってみてわかったのだが、愛鷹山の中腹にあるというこの丘は、二つのエリアに分かれた広大な敷地に「ヴァンジ彫刻庭園美術館」「クレマチス ガーデン」「ビュフェ美術館」「井上靖文学館(今回は立ち寄らず)」があり、いくつかのレストランが点在する。
「ヴァンジ彫刻庭園美術館」は彫刻家ジュリア−ノ・ヴァンジの作品を野外と建物内に展示してある広い美術館。きれいに整えられた庭園にヴァンジの作品がモニュメントのように置かれている。ヴァンジの作品にはあまり感銘を受けなかったが庭園の出来はすばらしく、歩いているとだんだん精神が浄化されていくような感じ。アラン・レネの『去年マリエンバードで』のような非日常の空間だった。庭園を歩いて行くと無機質なコンクリートの建物があり、中に入るとヴァンジのデッサンやデリケートな大理石の作品などが展示されている。
建物を下に降りて行くと出口があり「クレマチス ガーデン」に出る。様々な花が咲き乱れる楽園のような庭園。庭園の周囲には数々のクレマチスが植えられ、ヴァンジの作品を中央に据えている円形の池には色とりどりの睡蓮が咲いている。その先には僕がイメージする欧米の庭園そのものといった趣の、円形の小さな庭園があり、その放射状に伸びた通路の一本が「ティーハウス ガーデナーズハウス」に続く。ここでラ・フランスのフレッシュジュースを飲む。レストランに続くカナールのボーダーガーデンと呼ばれている小径は道の脇を水が流れ、ピエロ・デラ・フランチェスカの作品の背景に出てきそうな幾何学的な造形。全ては良し。
クルマで5分ほどの距離にある「ビュフェ美術館」に行く。ベルナール・ビュフェはあまり関心のない画家ではあるけれど、原画を一度も見た事がなかったので、圧倒的な量の原画を見る事が出来てよかった。彼の描く極端にデフォルメされた人体のシルエットはやはり美しいと思った。ヴァンジの彫刻にいささか食傷気味であったので、平面作品を鑑賞してホッとしたというのも事実。そして作品よりも妻であるアナベルとビュフェを撮ったアトリエのスナップ写真の拡大パネルが印象的だったと書いたら情緒的に過ぎるだろうか。写真から二人の愛情の深さがよくわかる。そしてアナベルの凛とした美貌。
美術館の隣にある「オーガニック・ビュフェ」で昼食後東京に戻る。計算したわけではないのにレンタカーの返却時間ぴったりに営業所に到着。程よく疲れたので北口戎でビールを飲んで帰宅。印象に残る小旅行だった。
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